大関

貴ノ花 利彰
-戦後の超人気大関-

生年月日 1950年2月19日
初土俵 1965年5月
新十両 1968年3月
新入幕 1968年11月
最終 1981年1月

得意手 突き、左四つ、寄り
四股名変遷 花田→貴ノ花→貴乃花→貴ノ花
所属変遷 双子山
通算成績 726勝490敗58休(95場所)
幕内成績 578勝406敗22休(97場所)
幕内最高優勝 2回
幕内準優勝相当 5回
三賞 9回(殊勲3、敢闘2、技能4)
金星 1個
十両優勝2回、序ノ口優勝1回

主な記録
幕内連続出場 1231回(歴代1位)
幕内通算出場 1430回(歴代2位)
幕内在位 97場所(歴代2位)


-戦後の超人気大関-
相撲という枠を超え、戦後スポーツ史に燦々と輝く超人気力士。角界のプリンスの異名を持つ貴ノ花の本名は花田満といい、青森県弘前市で1950年2月19日に生まれた。

兄は横綱・若乃花(初代)。21歳離れているが実の兄弟で10人兄弟の末っ子である。

中学時代は水泳の選手でオリンピックも狙える逸材であったが、兄が師匠を務める双子山部屋に入門した。


-超猛稽古で大関へ-
1965年5月場所で初土俵。稽古は過酷を極めた。弟だから甘くしていると思われたら他の力士に示しがつかないからとも言われているが、双子山が後に語るには厳しくした理由は双子山自身にも分からないとのこと。

超猛稽古もあってか65年7月の序ノ口優勝を皮切りにデビューから16場所連続勝ち越しで68年3月に新十両。当時史上最年少の18歳0ヶ月での快挙だ。

十両時代には当時日本大学の学生・輪島と稽古場で対戦し敗れるという失態を犯したこともあった。

68年9月場所で十両優勝し11月場所には新入幕。これも出世のスピードの速さから飛行機の異名を持った武藏山の記録を塗り替え18歳8ヶ月と当時史上最年少の若さだった。

70年1月に貴ノ花に改名。9月には新小結。71年5月には大鵬を破り、この一番を最後に大鵬は引退した。

72年1月場所8日目の北の富士戦では驚異的な足腰の柔らかさで「つき手」、「かばい手」論争を呼ぶ。貴ノ花に軍配を上げながら行司差し違えとされた25代木村庄之助が角界を去る事態にまで発展した。

決して大きな体ではなかったが、正攻法にこだわり、北の富士戦に見られるように強靭な足腰、あきめないファイティングスピリットから70年に入ったあたりから人気は角界でダントツのものになっていたのである。

要するに貴ノ花には奇跡的な逆転勝ちが多い。足を数秒間取られてもあきらめず逆転勝ちしたこともあった。

ライバルの輪島も追い付いてきて、72年11月に輪島と同時に新大関となった。


-昇進後の苦難-
大関昇進後は輪島と共に「貴輪時代」を築くのではないかとファンは期待した。だが、ここからの貴ノ花は苦難の道を歩む。

輪島はすぐに横綱になったが、貴ノ花は頸椎捻挫もあって8勝、9勝の繰り返し。逃げずに頭から当たり続けた代償でもある。そのうちに北の湖が猛烈なスピードで強くなり、どちらかと言うと脇役に回る事になる。それでも高見山との人気者同士の一戦は黄金カードとして人気を集めた。

75年3月こそ北の湖を優勝決定戦の末に破り初優勝。この時の熱狂ぶりは凄まじく、貴ノ花人気の高さを物語っている。

75年は9月場所でも優勝している。優勝はこの2回だけである。

77年にも1月、3月で12勝→13勝とあげて横綱の声が大きくなったが、これが最後。皆勤すれば負け越しこそ1回だけだったが、8勝や9勝の繰り返し状態が続いた。ついには横綱に届く事はなく81年1月場所で引退した。


-双子山部屋を角界の一大勢力に-
引退後双子山部屋から独立しは藤島部屋を創設。ここに息子である花田勝、花田光司が入門。二人は若乃花貴乃花として空前の相撲ブームを巻き起こし兄弟横綱にまで成長した。

この兄弟だけではなく、藤島部屋、そして名跡交換し師匠となった双子山部屋は大関・貴ノ浪、関脇・貴闘力、関脇・安芸乃島ら角界一の勢力を誇った。

-寂し過ぎた結末-
若乃花が横綱に昇進した頃に若貴兄弟の不仲が顕在化。一度は双子山自身や関係者の努力で一定の修復がなされたが、自身の死後に再び激しく対立した。

2001年には夫人と離婚し、03年には「口内炎」で一時入院。その後も入退院を繰り返し重病説が飛び交った。

そして05年1月30日。弟子であった貴ノ浪の断髪式が催された。双子山は遅刻しながらも病院から国技館に駆け付けたが、角界のプリンスの変わり果てた姿にファンは衝撃を受けた。

もはや自力で土俵に上がる事すら出来ず、呼出しの力を借りて土俵に上がった。頬はこけ、顔色は悪く、率直に見て死を連想せざる得なかった。昭和の超人気力士の悲しい姿に涙を流すファンも多かった。

5月30日に口腔底癌で亡くなった。
                         

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