関脇

高見山 大五郎
-二倍、二倍の人気者-

生年月日 1944年6月16日
初土俵 1964年3月
新十両 1967年3月
新入幕 1968年1月
最終 1984年5月

得意手 突き、左四つ、寄り
四股名変遷 ジェシー→高見山
所属変遷 高砂
通算成績 812勝845敗22休(122場所)
幕内成績 683勝750敗22休(97場所)
幕内最高優勝 1回
三賞 7回(殊勲3、敢闘4)
金星 12個
序二段優勝1回、序ノ口優勝1回

主な記録
幕内連続出場 1231回(歴代1位)
幕内通算出場 1430回(歴代2位)
幕内在位 97場所(歴代2位)


-昭和を代表する名関脇-
外国出身力士初の関取であり幕内力士であり三役力士であり幕内最高優勝者である高見山。米国ハワイ州のマウイ島出身で本名はJesse James Wailani Kuhauluaといい1944年6月16日生まれである。

外国出身力士は高見山以前にもいたが、関取まで昇進したのは高見山が初である。戦後最強横綱・大鵬は樺太出身だが、外国出身力士としてカウントする事はほとんどない。

62年に高砂部屋一行がハワイ巡業を行い、それが縁で高砂部屋に入門。64年3月場所にジェシーという古今に例の見ない四股名で初土俵を踏んだ。


-「目から汗」で関取に-
既に190p近くあり、アメフトもやっていたジェシーの課題は土俵以外の部分での適応であった。日本人でさえ難しいと言われている力士生活への適応、ましてや外国人が適応するのは相当な努力と忍耐が必要だ。

ジェシーはちゃんこの味に慣れることが出来ず、ケチャップをかけて誤魔化したり、厳しい稽古は自らが語るところによると「目から汗」をかきながら耐えたのである。

パスポートは師匠の高砂が没収していた為に帰国は不可能であった。

番付にジェシーと表記するのはまずいということで64年5月の序ノ口に出たところで高見山に改名。この場所の4日目には対戦相手が恐怖の余り、自ら土俵上から逃げ出す事件が起きている。現在なら踏み越しが適用されるが、当時の勝負結果には踏み越しがなかったこと、余りにも酷いこと等から取り直しとなった。

序ノ口から2場所連続優勝を皮切りに、前相撲から5場所で幕下まで到達。幕下では苦戦し2年ほど在位し、67年3月に晴れの新十両、外国出身力士としは初の関取である。


-高見山人気爆発-
十両昇進後も足腰は多少危うかったが、強烈な喉輪、張り手の威力は抜群で1968年1月場所に入幕する。

入幕2場所目に佐田の山をおっつけで突き放し、豪快な突き出しで初の金星を挙げる。佐田の山は2連覇中だったが、この一番で決定的な精神的ダメージを負い翌日取組終了後に引退している。

この一番に見るようにタイプとしては大物喰いであった。金星は12個を数える。特に輪島に強く輪島から7個獲得している。逆を言えば足腰に難があったことから三役定着には至らなかった。

それでも72年7月場所では追いすがる貴ノ花を振り切り、13勝2敗で幕内最高優勝に輝いた。2012年現在では当たり前というか、もし違ったら大騒ぎの外国出身力士の幕内最高優勝の初である。

現在はあまり人気のない外国出身力士もこの時代は物珍しも手伝い高見山は大人気。独特のもみあげや陽気なキャラクター、それでいて「目から汗」などと日本人好みのセリフを吐くものだから人気が出ないわけがない。

10本を超えるTVCMにも出演し、中でも布団のマルハチのCMでの「二倍二倍!」のセリフは今でいう流行語となり真似する人々が続出した。


そんな高見山も1970年代後半から平幕に低迷し、長く相撲を取ることにこだわりを見出した。「40歳まで相撲を取りたい」、「両国国技館の土俵に上がりたい」が晩年の目標だった。

84年3月場所で十両へ陥落したもののそれでも土俵に上がった。しかし、5月場所にてついに引退を表明。39歳11ヶ月、40歳まで相撲を取る、85年1月開館の国技館の土俵に上がるという目標は叶わなかった。

なお、どういうわけか高見山は場所中に引退を表明したが、千秋楽まで土俵を務め、「引退を表明した力士は土俵に上がることは許されない」という不文律が適用されなかった。


-引退後の功績-
引退後も日本国籍を取得していた為、協会に年寄・東関として残った。彼の真の貢献は引退後かも知れない。

後の大関である弟弟子の小錦(6代)を自らスカウトし曙を横綱にまで育てあげた。小錦は武蔵丸に目をかけ一門の枠を超えてかわいがったことを考えれば、1980年代後半から90年代のハワイ全盛期は高見山なくしては有り得なかったし、若貴時代もあそこまで盛り上がらなかった。曙がいない若貴時代の何が面白いのだろうか?

現在は既に定年退職されているが、定年を祝う会では米国大統領と日本国首相から祝電が届けられた。                        

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