1991年5月場所千秋楽

○貴花田(寄り切り)千代の富士●


-昭和の相撲界が終焉、新時代到来-
超人気力士であった元大関・貴ノ花の息子である貴花田。

入門当初から大きな注目を浴び、多大な期待に応えた貴花田は史上最年少記録を次々と塗り替え、1991年3月場所では初日から11連勝、小結・寺尾を含め名だたる幕内力士を蹴散らし、あわや優勝という活躍だった。

この大活躍で千代の富士との対戦が確実になった。かねてから盛り上がっていた若貴フィーバーは大爆発。ファンの関心は千代の富士と貴花田がいつ対戦するかという点に集まった。

千代の富士は既に優勝回数31回の大横綱。貴花田の父である貴ノ花は千代の富士に1980年11月場所3日目で一方的な相撲で敗れたことが引退のきっかけになったとされる。

蓋を開けてみると衝撃が走った。なんと誰も予想していなかった初日に組まれた。

報道合戦が加熱する中、迎えた初日。

貴花田が左のおっつけで千代の富士の前廻しを許さず、千代の富士が引いた隙を見逃さず廻しを掴みながら一気に黒房下に寄り切り、31回の優勝を誇る大横綱を初対戦で破った。

視界が遮るほどの祝福の座布団が舞った。歴史が変わった一番。ついに千代の富士時代に終焉。

千代の富士は引退を決意したとされるが、言い出せず、結局引退は3日目の貴闘力との一番後までずれ込んだ。父の引退の契機となったとされる千代の富士に逆に引導。あまりにも劇的な主役交代であった。

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