1981年1月場所千秋楽

○千代の富士(上手出し投げ)北の湖●


-ニューヒーローが北の怪童を沈める-
憎らしいほど強いといわれた北の湖。

あまりの強さにファンは反発し、ニューヒーローの誕生を期待していた。

輪島は渋い活躍を続けていたが、81年3月場所途中で引退することになり、若乃花(2代)も1980年までは健闘していたが、北の湖にとってかわるところまではいかなった。

そのような状況下で彗星のごとく現れたのがウルフ・千代の富士。

1981年1月場所、関脇・千代の富士は初日から14連勝。国技館はウルフフィーバーに包まれた。千秋楽の相手はここまで13勝1敗の北の湖。

本割では左四つになり北の湖が向正面に吊り出した。吊り出しはしたものの、北の湖は両膝が崩れた。これを千代の富士は吊り出されながら見て、「膝が弱いのかな、そこが弱点だな」と見抜いていたのだ。

14勝1敗で並んだ優勝決定戦、左四つの形になり千代の富士は右上手を引く。ここまでは同じ形だが、千代の富士は頭もつけた。

北の湖は右を抱えながら出てこうとする。千代の富士は出し投げでこれを凌ぐ。北の湖がやや強引に出たところをすかさず、上手出し投げで北の湖は膝から崩れて右手を突いた。

国技館は大いに盛り上がり、座布団が舞った。大注目の一番は瞬間最高視聴率は65.3%を記録した。これは現在に至るまで大相撲中継史上最高である。

この後、徐々にではあるが、昭和末期にむけ土俵の主役は千代の富士へと移っていく。


天下分け目の一戦トップへ