横綱の強さとは

7月場所では「横綱」が話題になることが通常の場所より多かったかと思います。

稀勢の里の綱取り、日馬富士の横綱らしい成績が残せるか、このふたつは場所前から話題になっていました。

横綱は強くなければなりません。

大関以下の地位の力士は弱くなっても実力に応じた番付にランクされ、相撲を取ることが出来ます。序ノ口まで落ちて全敗しても、次の場所の番付にはしっかりと名前が書かれます。

横綱は勝てなくなれば引退するしかありません。大関降格はありません。過去に大関降格を申し出た横綱がいないわけではなかったが、それは実現しませんでした。

では横綱の強さとはなんなのか、考えてみました。


@勝率
強さを示す数値として客観的な数値として勝率があります。

議論はいろいろあるでしょうけど、勝率.800を超えれれば、強豪横綱というのが僕の意見。12勝3敗ペースがちょうど勝率.800です。

ちなみに7月場所終了時点で日馬富士の横綱勝率は.720。1場所あたり10.8勝です。師匠でもある旭富士が.710、三重ノ海は.705よりは勝率が良い。しかし柏戸の.735には及ばない。

強豪横綱とまでは言えませんが、過去と比べて特別に不成績とも言えないでしょう。


A安定感
勝率が良くても、15戦全勝と8勝7敗を繰り返しているようでは横綱としてふさわしくないという声が出てきそうです。

安定感とは困難な状況下でもコンスタントに白星を重ねていくことと定義しましょう。コンスタントの基準はいろいろありますけど、10〜12勝を以下にまとめました。

日馬富士(横綱昇進後の5場所)
10勝以上 3回(60%)
11勝以上 2回(40%)
12勝以上 1回(20%)

稀勢の里(大関昇進後の10場所)
10勝以上 9回(90%)
11勝以上 4回(40%)
12勝以上 1回(10%)

10勝を最低ラインに引いた場合、日馬富士は5場所中2場所で10勝に届きませんでした。稀勢の里は10場所中9回は10勝以上に達しています。安定感を重視するファンは日馬富士に対してもっと頑張れと思っていることでしょう。

稀勢の里が大関昇進した時に評価された部分のひとつも安定感だったと記憶しています。

そんな稀勢の里も横綱として考えると11勝以上が10場所中4場所、12勝以上は10場所中1場所ですから横綱としての安定感として考えると、まだ今一歩かというところはあるかもしれません。


B怪我に強い
出場すると好成績を残しますが、怪我が多く休場ばかりでは強い横綱とは言えないかもしれません。

千代の富士のように休場が多くても、群を抜いた成績を残せれば別でしょうけどね。

白鵬は横綱昇進してから本場所休場がありません。稀勢の里は入門以来本場所の休場なし。日馬富士は三役昇進以降は1場所だけ途中休場あります。ただ、日馬富士は足首の故障などを抱えながらですので、怪我に強いイメージとは少し違うものをファンは持っているかもしれない。


C優勝
強い横綱は賜杯を抱く姿が似合います。

日馬富士は既に5回優勝しています。日馬富士は優勝回数という点ではまだ現役ですし充分な回数を重ねていっていると言って良いでしょう。


D全勝優勝
幕内での15戦全勝こそ強さの象徴という意見もあります。

日馬富士は3回も全勝優勝しています。貴乃花でさえ全勝優勝は3回のみ。この点を考えると、既に3回も全勝している日馬富士はこの項目においては文句なしの強豪横綱。


E横綱相撲
いわゆる横綱相撲ということです。

この横綱相撲に関してはまた次回、詳しく述べたいと思っています。


以上の点を考慮すると今日は触れなかったEを除外した時、日馬富士に不足してしまっている項目はA(安定感)が該当しそうです。

Cは横綱としてなんら恥ずかしい回数ではありませんし、Dは強豪横綱級の回数を現役ながら残しています。

@及びBも強豪横綱級とまではいかなくても横綱として劣っているとは僕は思いません。

勢いある相撲も大きな魅力ですが、安定感を身につけていけば、日馬富士を非難する声はどんどんと減っていくと思います。そうなることを祈っています。

稀勢の里は1回優勝できれば、地力は充分ですから自信もついて、強い横綱になってくれる可能性は高いと思います。


トップページへ