2015年3月場所総評

 白鵬が6場所連続34回目の優勝を達成し、関脇・照ノ富士が13勝と大躍進した3月場所を振り返る。

 白鵬は6場所連続優勝。白鵬の成績が圧倒的すぎて感覚が麻痺してしまいがちだが、これも滅多にない記録。

 慣例的に優勝回数を数え始めることになっている1909年6月場所以降で3名しか達成していない記録である。ちなみに白鵬は7連覇したこともあり、朝青龍と並び最多である。

 そもそも、1909年6月場所以降で幕内優勝した力士は100名しかいないわけで、1回でも優勝すること自体が極めて難しいのである。

 白鵬は3日目くらいから調子を上げていった。白鵬は取り口のメニューがたくさんある力士で、しかもメニューの選択に間違いがほとんどないからこれだけの成績を残している。


 13番勝ったのは照ノ富士。いつかこのような場所が来るだろうなとは思っていた。

 照ノ富士は重さがある。普通の力士が相手なら二本差せれば好機なのだが、照ノ富士が相手だと二本差しても、抱えられて逆に出られてしまう。小手に振る力も凄まじく強烈。

1986年生まれ以前の力士が大関以上を占めている現状。1991年生まれの照ノ富士が時代を変える可能性が高まっている。


 優勝争いは11日目に2差がつき白鵬独走態勢に入る。13日目にも決着がつくかと思われたところを照ノ富士が直接対決を制し1差に迫った。

 さらに14日目は白鵬、照ノ富士がともに勝った。これで俄然盛り上がっていった。しかも、照ノ富士は逸ノ城との水入りの一番を制して、14日目の白鵬優勝の可能性を消し去った。

 そして、楽日がすごかった。ラスト3番の質が高く、結びの一番は日馬富士が白鵬の左手首を掴み、徹底的に白鵬の左を封じた。


 日馬富士は右肘の状態が悪い中で10番。楽日の結びでは大内山のような気迫を見せ、大いに盛り上げた。


 3大関は全員勝ち越したが、稀勢の里9勝、琴奨菊と豪栄道は8勝止まりだった。

 稀勢の里は照ノ富士を破り、大関の意地を見せたが、10場所連続2桁勝利をあげていた頃と比べると、今場所は脆さが目立ってしまった。

 琴奨菊と豪栄道は本来の相撲振りが取り戻せないでいる。


 場所全体では優勝争いの盛り上がりと千秋楽が良かったことを考えればまずまずと言ったところではなかろうか。前半戦はあまり良くない日もあったが、安美錦が初日からの7連勝で館内を沸かせた。安美錦が休場した終盤戦は弟弟子の照ノ富士が白鵬に食らいつき、楽日は日馬富士が白鵬との熱戦を見せてくれた。

 3月場所は伊勢ヶ浜部屋の力士たちの奮闘が目立ったと言える。



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