貴ノ花申告漏れ事件
-元大関・貴ノ花が贈与金を申告せず問題に-

年寄株が高額で売買されている-。

相撲ファンに広く知られていた話であるが、具体的な金額までは表になかなか出なかった。

また、こうした取引には税金がかかるはずなのだが、どういうわけか大きな問題になってこなかった。

大きな問題になったのは1996年9月に発覚した元大関・貴ノ花の二子山が二子山の年寄株取得の際に後援会から贈与された3億円を申告しなかったと一件である。

二子山株のもとの所有者は元横綱・若乃花(初代)である。相撲ファンならご存知だろう、若乃花は貴ノ花の実兄である。実の兄弟間で3億円ものやりとりがあるのは世間の常識と照らし合わせると尋常とはいえない。

相撲界の実態に驚いたファンも多かっただろう。相撲界の年寄株売買の実態の一例が明るみに出ることになった。

そもそも貴ノ花は年寄・藤島として活動していた。二子山の停年に伴い、部屋を吸収合併をすることになり二子山の名跡を買い取ったわけだ。

貴ノ花の二子山は巡業部長を解任され、当たり前だがセットで元横綱・若乃花も3億円の所得の申告漏れを指摘され相撲博物館館長を辞任し、角界を去った。

当時の理事長である元横綱・佐田の山の境川が「売買禁止」を柱とした改革に乗り出そうとしたところ、親方衆から猛反発。

考えてみれば、数億円とも言われる額で購入した年寄株を持っている親方衆は売れないとなれば、たまったものではないだろう。反発する気持ちも分かる。

結局、売買は実効性を持った形で禁止されることはなかった。

境川の理事長任期終了後、元大関・豊山の時津風の理事長時代に辛うじて年寄株の貸借が禁止されることになった。

しかし、なんてことはない。名義を変更せず貸すという新たな手法がすぐに出来上がり、すぐに有名無実化すると、2002年9月には貸借OKとなった。


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