元大鳴戸親方の死去
-元大鳴戸親方が疑惑が残る形で亡くなる-

1995年1月に協会を去った元大鳴戸親方(元関脇・高鐡山)は96年に『八百長〜相撲協会一刀両断〜』という本を出版した。

タイトルだけ見ると八百長告発本だが、内容は相撲界の悪癖に対する批判、特に年寄名跡が高額な価格で売買されている上にそれを申告せず事実上の脱税行為が横行している点、北の富士に対する非難が中心である。

この本の中で数多くの証言が紹介されたのが橋本成一郎氏である。この人物は北の富士の後援会副会長を務めた人物とされる。二人で八百長告発を週刊誌上で展開していた。

発売直前の1996年4月14日。午前4時45分に元大鳴門親方が愛知県内の病院で亡くなった。死因は心不全。そして午後7時48分、同じ病院で橋本成一郎氏が心不全で亡くなった。

八百長告発の中心人物が同日、同病院で同様の死因で亡くなったので世間では事件性があるのではないかという声も出た。

公式には病死とされ、情報の中では「同時」とか「数分違い」に亡くなったとしているものもあるが、それは誤りである。両者が亡くなった時刻は12時間以上離れている。

さらに元大鳴戸自身は1993年の脳梗塞を患い、糖尿病や心臓病との闘病中であった。

そうは言っても同日、同病院、同じ死因では世間の良からぬ憶測を呼ぶのも無理もない。

実際に元大鳴戸の本の通り1996年7月には年寄株売買に伴う大規模な申告漏れが判明すると、2010年2月には八百長相撲も発覚。

本の内容は一部かもしれないが、部分的には正しかった。

特に2011年の八百長問題は大打撃を与えたことは記憶に新しい。書かれているようなことが今も行われている事はあってはならない。


大相撲事件史トップへ